相続税の税務調査の目的と税務調査の実施状況
Q 現在の相続税の税務調査の目的、税務調査の実施状況を教えて下さい。
A 相続税の税務調査の目的は、次のとおりです。
1.相続税の申告は、申告納税方式であるため、申告が適正に行われているかを確認するため
2.相続税の課税財産に申告漏れが生じた場合には、税務署長の更正処分等により二次的な税額確定を行うため
3.不正が発覚した場合には、重加算税などの厳しい処分を行うことにより課税の公平性に期するため
相続税の税務調査は、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に申告額が過少であると想定されるものなどに対して実施されます。
平成19年度の相続税の税務調査の実施状況等は、次の通りです。被相続人数(死亡者数)は約111万人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約4万7千人(①)です。被相続人宅、相続人宅、取引金融機関及びその他相続財産等に関係のある者に対して、国税局または税務署職員が臨場して行う税務調査は、13,845件(②)行われ、このうち申告漏れ件数は11,884件(③)でした。相続税額が発生した場合、その被相続人の約29.5%(②/①×100%)に対して税務調査が行われ、税務調査実施件数の85.8%(③/②×100%)で申告漏れが発生している状況です。税務調査が行われた場合には、かなりの確率で申告漏れが発見されるといえます。
税務調査で発見された申告漏れの相続財産の内訳は、現金・預金等が1,517億円、有価証券707億円、土地687億円と報告されています。現金・預金等及び有価証券といった金融資産の申告漏れが多いということから、税務調査では、相続税の課税対象となる金融資産について、特に厳格な調査が行われていることが推測されます。
