Category: 遺産分割協議

名義変更のやり方がわからない

 名義変更が必要な主なものを、次にまとめています。参考にしてください。

相続財産  相手先 手続 
預貯金の名義変更   金融機関  払戻依頼書、被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、相続人全員または受遺者の戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書、死亡届出書、遺産分割協議書(遺言書)、相続人の念書等、預貯金通帳、届出印、キャッシュカード等を提出し、手続をします。 
保険契約の名義変更  保険会社  名義変更請求書、保険証書、相続人代表者の戸籍謄本、被相続人(旧契約書)の除籍謄本、相続人代表者の印鑑証明、死亡診断書等を提出し、手続をします。
株式等の名義変更  信託銀行、証券代行会社 遺産分割協議書(遺言書及び同意書)、株式名義書換請求書、被相続人の除籍謄本、全相続人の戸籍謄本、全相続人の印鑑証明を提出し、名義変更手続をします。
ゴルフ会員権の名義変更 ゴルフ会員権取引業者、ゴルフ場  遺産分割協議書(遺言書及び同意書)、被相続人の除籍謄本、全相続人の戸籍謄本、全相続人の印鑑証明書を提出し、所定の名義書換料を支払って手続します。
不動産の相続登記   法務局  登記申請書、相続証明書(被相続人の戸籍謄本(改製原戸籍謄本)、除籍謄本、住民票(除票)、相続人の戸籍謄本、住民票、代理権限証書、固定資産税評価証明書、遺産分割協議書を提出して、法務局で登記します。

遺産分割協議書

  相続人全員で遺産分割に関する協議を行います。遺産分割の協議を成立したことを証するため、「遺産分割協議書」を作成します。

 「遺産分割協議書」の例を挙げれば、次の通りです。

遺 産 分 割 協 議 書

 被相続人●●●●の遺産については、同人の相続人である●●●●、●●●●、●●●●の全員による分割協議の結果、それぞれ次に掲げる者が次に掲げる財産を取得し、債務を承継することとした。

〔1〕 相続人●●●●が取得する財産

    以下省略

〔2〕 相続人●●●●が取得する財産

    以下省略

〔3〕 相続人●●●●が取得する財産

    以下省略

〔4〕 相続人●●●●が承継する債務

    以下省略

〔5〕 相続人●●●●が承継する債務

    以下省略

〔6〕 相続人●●●●が承継する債務

    以下省略

 なお、上記に掲げる財産及び債務以外に被相続人●●●●に係る財産及び債務の存在が判明した場合には、新たに判明した財産及び債務は、相続人●●●●、●●●●、●●●●がそれぞれ別途分割協議して取得または承認するものとする。

 上記のとおり相続人全員による遺産分割の協議が成立したので、これを証するため本書を作成し、次に各自署名押印する。

相続人  住   所   :東京都渋谷区代々木×-×-×
               氏 名 :

相続人 住 所 :東京都渋谷区代々木×-×-×
               氏 名 :

相続人 住 所 :東京都渋谷区代々木×-×-×
               氏 名 :

代償分割を行った場合の相続税の課税価格

Q  前述の遺産分割の解決策として、私がA社株式をまとめて相続し、その代償として金銭を交付する代償分割も考えています。現在のA社株式の時価は、その後の市況回復もあり2億5千万円となっています。私がA社株式をまとめて取得する代わりに、代償分割時のA社株式の時価を基準とし、代償債務として妹2人にそれぞれ現預金7千万円を渡し、その他の相続財産である現預金を妹2人がそれぞれ4千万円ずつ相続する場合、各人の相続税の課税価格はどのようになるのでしょうか。

代償分割とは、特定の相続人等が特定の相続財産を取得する代わり、バランスを取るため他の相続人等に金銭などを支払う遺産分割の方法で、相続財産の現物分割が困難な場合に行われます。

対象の相続財産を取得する代わりに代償財産を交付した人の相続税の課税価格は、相続等により取得した現物の財産の価額から交付した代償財産の価額を控除して求めます。また、対象の相続財産を取得しない代わりに代償財産の交付を受けた人の相続税の課税価格は、相続等により取得したその他の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額の合計額となります。

 この場合の代償財産の価額は、代償財産として他の相続人などに対して負担した債務の額の相続開始の時における金額が原則になります。

ただし、代償分割の対象となった財産が特定されており、代償債務の額がその財産の代償分割の時の時価を基にして決定されている場合には、前述の金額に代償分割の対象となった財産の相続開始の時における相続税評価額が代償分割の対象となった財産の代償分割の時の時価に占める割合を掛けた価額となります。ご質問のケースはA社株式の代償分割時の時価を基準に代償債務の額を決定しているのでこちらに該当します。

したがって、ご質問のケースの相続税の課税価格は次のとおりになります。

◆あなたの相続税の課税価格
 株式Aの相続税評価額150百万円-(代償債務額140百万円×(株式Aの相続税評価額150百万円/株式Aの時価250百万円〔A〕))
=150百万円-(140百万円×0.6)
=66百万円

◆妹たちそれぞれの相続税の課税価格
 相続する現預金40百万円+(代償財産である現預金70百万円×〔A〕)
=40百万円+(70百万円×0.6)
=82百万円

また、遺産分割の協議対象者全員の協議に基づいて、前述の方法に準じた方法または他の合理的と認められる方法により代償財産の額を計算して申告する場合、その申告した額によることも認められます。 

遺産分割がまとまらない場合の相続税の申告

Q 昨年、私の父が亡くなり、私と妹2人が相続人となりました。相続財産は、現預金8千万円とA社株式1億5千万円(相続税評価額)です。父は、自身が亡くなった後もA社株式が分散されずに誰かにまとめて相続させることを望んでいました。しかし、誰がA社株式を相続するか決まらず相続税の申告期限が迫りつつあります。遺産分割がまとまらずに相続税の申告を行う場合、相続税の扱いはどのようになるのでしょうか。

A 相続税の申告時に各相続人等の相続財産が確定しているときは、各法定相続人が法定相続分を相続したと仮定して相続税の総額を計算し、相続税の総額に、課税価格の合計額に対する各人の相続財産の課税価格の割合を掛けて各相続人等の相続税額を算出するのが原則です。

 しかし、相続税の申告期限は通常は相続発生日の翌日から10ヶ月以内であり、相続税の申告期限までに遺産分割の内容が決まらないこともあります。

 このような場合、各相続人は、法定相続分どおりに相続が行われたものと仮定して各人の相続税の課税価格を算出して相続税の申告を行います。なお、遺言による相続分の指定や、生前に贈与を受けていたなどの特別受益者がある場合、あるいは法定相続人と別に包括遺贈というかたちで遺贈を受ける者がある場合は、それらも考慮に入れます。

 その後、確定した遺産分割による各人の相続税負担額が当初の申告によるものと異なる場合には、修正申告や更正の請求を行うこととなります。

 なお、本件では関係しませんが、一定期間内に遺産分割が確定しないと相続税の特例が受けられず不利になる場合もあります。ご注意下さい。